肝臓機能低下と腸内細菌

最近肝臓が疲れている方が多い印象があります。

人のこと言っている場合ではないですが、お正月や新年会などの暴飲暴食でお酒を呑む機会が多かったためか肝臓が疲れている方が多くいらっしゃるからかなと思っていました。

しかし、キネシオロジー検査で原因を探るとお酒が原因であるかたがあまり多くなかったのです。

そもそも肝臓の働きとは
とはいえそもそも肝臓の主な働きを知らないといけません。

①エネルギーの貯蔵:胃や腸で消化吸収した栄養素を利用しやすい状態にして貯蔵して必要に応じて利用する。

②タンパク質の合成:「アルブミン」などの血しょうに含まれるタンパク質を合成する。

③解毒:一般的にわかりやすいのはアルコールを酸化させて酢酸に変えて無毒化したり、アミノ酸の分解により生じた毒性の高いアンモニアを比較的無毒な「尿素」につくり変えて尿中に排泄する。

④胆汁の生成:脂肪の分解を助ける消化液としてはたらく胆汁を生成する。胆汁は胆嚢で濃縮されて十二指腸で膵液と一緒に脂肪の分解をしやすくする。

大まかに分けると以上ですが
今回重要なのはこの中でも解毒です。
また検査していくと肝臓の疲れの原因が腸と腸内細菌の影響と出てきます。
なぜ腸、腸内細菌が肝臓と関係あるのかと思う方もいらっしゃると思いますが、じつは腸から肝臓へ「門脈」という血管が繋がっており大量の血液が流れ込んでいるのです。

門脈とは

これは肝臓を下から見たところです。(分かりづらくてすみません。)
黒で囲った部分に門脈があります。
門脈からの血流量は非常に多く肝臓内の血液量の3/4から4/5がここから流入したものになります。
門脈は腸や脾臓と繋がっており、血液と共に栄養素が送られますがその他にも食品添加物や薬品、腸内細菌の代謝産物なども流入します。
それらはもちろん体にとって好ましいものではないので肝臓での解毒が必要となります。
その不純物が多ければ多いほど肝臓に負担がかかるのは想像に難しくないと思います。
ちなみにこの門脈を通じて肝臓、胆嚢へそして再び腸管から再吸収される循環を腸肝循環と言います。

腸肝循環と肝臓への悪影響

<p>ここからは説明がややこしくなるので面倒な方は読み飛ばして下さい。</p>
<p>腸内細菌はヒトが代謝できない物質を代謝してくれます。その代謝物がヒトに様々な影響を及ぼすことが明らかになっています。</p>
<p>例えば腸内細菌が食物繊維を代謝して産生する酢酸や酪酸は免疫細胞である制御性T細胞を誘導して炎症を抑制します。他にも消化の補助やビタミンの合成の手助けをしてくれます。</p>
<p>しかし、いいことばかりではなく特に肥満と関連しているといわれているフィルミクテス門(腸内細菌の分類)の代謝産物であるデオキシコール酸は肝臓の細胞老化を引き起こし、それに伴う炎症性サイトカインが肝臓の細胞にガンの発生を促進させてしまうということが判明しました。</p>

ここからは説明がややこしくなるので面倒な方は読み飛ばして下さい。

腸内細菌はヒトが代謝できない物質を代謝してくれます。その代謝物がヒトに様々な影響を及ぼすことが明らかになっています。

例えば腸内細菌が食物繊維を代謝して産生する酢酸や酪酸は免疫細胞である制御性T細胞を誘導して炎症を抑制します。他にも消化の補助やビタミンの合成の手助けをしてくれます。

しかし、いいことばかりではなく特に肥満と関連しているといわれているフィルミクテス門(腸内細菌の分類)の代謝産物であるデオキシコール酸は肝臓の細胞老化を引き起こし、それに伴う炎症性サイトカインが肝臓の細胞にガンの発生を促進させてしまうということが判明しました。

単純にいうと

肥満

腸内細菌が悪玉「フェルミクテス門」が多い可能性が大

代謝産物により肝臓に負担がかかっている可能性あり。

肥満ではない

腸内細菌は善玉「バクテロイデス門」が多い可能性大

有益な代謝産物により肥満なりずらい。

となります。

これは単純に肥満=肝臓の細胞の損傷ということではなくマウスを用いた実験では肥満したマウスに抗生剤を投与してグラム陰性細菌、グラム陽性細菌両方を除去すると肝ガンになる細胞の割合が著しく減少したことからも腸内細菌が肝ガンの形成に重要な役割を担っていることがわかります。
なので肝臓を元気にするには腸の環境が大事なのです。

フェルミクテス門を増やさない為に

フィルミクテス門の細菌は食事から栄養を取り込むエネルギーが多いので高カロリー食を食べているとフィルミクテス門の細菌の割合が増えてしまいます。

ちなみにシーソーのようにフェルミクテス門の細菌が増えるとバクテロイデス門の細菌が減ってしまうのです。
ですので毎日の食事でカロリーの摂り過ぎは要注意です。
また腸内環境を整えるには一番簡単のは善玉菌が好む発酵食品を摂ることです。
ヨーグルトや糠漬けですかね。
ただし、ヨーグルトは日本人の場合乳糖不耐症のかたもいらっしゃるのですぐお腹を下してしまう方はぬか漬けなど添加物の少ない漬物をオススメします。
またヨーグルトはたくさん種類があるので2週間続けてみて体調に変化が無いようであれば種類を変えてみることをオススメします。
色んな効能をうたっていても自分に合うか合わないかが大切です。
ただほとんどの乳酸菌は胃酸や胆汁酸で死滅してしまうので腸には届かないといわれていますが、これも菌が直接じゃなくてその代謝産物が有益なので無駄だと思わない方が効果もでそうです。

ヨーグルトはぬか漬けと違って脂肪分もあるので1日100g~300g程度にするのが良いそうです。
まずは無理なくできることからしていきましょう。
僕も高カロリー気をつけます。

内臓の不調の原因が他の臓器

このように肝臓の不調の原因がアルコールという訳ではなく腸の腸内細菌ということがあるのです。
体は全体で1つなので様々なことを考慮していく必要があります。
この例もごく一部なのでもっと様々な理解が必要ですね。
体はふくざつです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。