風邪の感染経路と予防

今年インフルエンザが大流行しています。一週間での患者数が過去最多になったそうです。 

そもそもウイルスはどのように蔓延していくのでしょうか

風邪をひくとは
風邪は80~90%が細菌ではなくウイルスが原因で起こる上気道感染症です。風邪の別名は急性上気道炎といいます。

上気道が鼻からのどなので、そこで炎症をおこして鼻水やのどの痛み咳や頭痛を伴うこともあります。

ちなみに抗生物質は細菌にしか効果がないので風邪に関してはほぼ効果がないといえます。

一生で200回は罹患するといわれていますがあの煩わしい症状になる度に「もうかかりたくない。」と思うものです。

風邪に関する研究

風邪は飛沫感染、接触感染、経口感染などありますが日常生活上で気になるシチュエーションは密室で明らかに体調不良の人といる時ではないでしょうか。

例えば電車やバス、エレベーターとか。

狭い部屋に被験者を4名。そこにあらゆる重症の風邪に罹患している人60人と長い時間過ごすという実験→誰1人風邪にかからず。

もう一つの実験。

実際に研究者たちが重い風邪にかかったボランティアのいる部屋で空気の検体を採取して調べたところ、82%もの空気を調べたにも関わらずウイルスは全く検出されなかった。

さらにボランティアがウイルス検出用の物体表面に向かって直接咳やくしゃみをしても、ウイルスが検出されたのは25回のうち2回のみだった。

別の実験ではオーストラリアの研究者たちが、風邪の症状を呈する患者9人に鼻と口をぴったり覆う特殊なマスクをかけてももらい、20分間本を音読し、20分間静かに呼吸し、20回咳をするように依頼した。

患者6人のマスクがウイルスをとらえ、その内3人はただ呼吸している時のマスクだった。

これらのことから咳やくしゃみによって発生する飛沫が風邪を広めるという証拠というとちょと弱いですね。

風邪のウイルスの入った液体を被験者の鼻のあたりに噴射するという実験を行った。事前に被験者はこのウイルスの抗体をもっていないことが確認されています。

正確な人数は分かりませんが理論的には100発100中罹患する状況において25%の人は鼻の中でウイルスが活動しているはずなのに無症状のまま終わったのです。

結局70年を超える研究をしても風邪のウイルスの感染経路がはっきりしていません。

この事実が本当であれば日頃、電車の中で体調が悪そうな人に対してもう少し優しいまなざしで見られるのではないでしょうか。

意外に触ってませんか?
かといって飛沫感染、接触感染しない訳ではなく結局同じ状況においてもかかる人(症状あり)とかからない人(無症状)があるということで感染経路ではないということにはなりません。

そして感染経路はほとんどが鼻や目を介して侵入しています。

ある研究ではアメリカ人の10人に1人が手で鼻を拭いた後にその手で握手したりドアノブに触れるといデータがあります。

鼻から侵入するということは鼻が風邪をうつす主犯格でもあるということです。

鼻→手→触れたもの→手→鼻

で風邪のウイルスは新たな宿主と巡り合えるわけですが

ヒトはそれほど鼻に触れるのか?という疑問がわきます。

カルフォルニア大学バークレー校公共健康学部のマーク・ニカス教授は10人の学生がそれぞれ3時間働く姿をビデオ撮影しました。

すると学生たちは1時間につき平均で16回も眼や鼻、唇を手で触ったそうです。

その内5回は鼻の穴に指をいれていました。

3人の学生は30回近く鼻をいじっていたです。

医療従事者も同じで医学校で1時間最新の医療講義を行っている間に観察すると参加している医者も1/3が鼻をほじるという結果だったのでした。

2001年には一般大衆のこの癖の調査をすると若者200人の内ほとんど全員が1日ほぼ4回鼻をほじることを認めたそうです。

この研究はイグノーベル医学賞を受賞したほどです。

この鼻ほじりの研究は「鼻をほじる行為は疫学的、疾病分類学的研究に値するかもしれない。」と結論付けられました。

皆さんはいかがでしょうか。

これをご覧なった後にご自身で鼻や眼などに触れていないか気にしてみて下さい。

実は無意識にかなり触れていることに気づかれると思います。

結論:こまめな手洗いが大切です

結局これかいということです。

あれだけマスクして体調悪そうな人を避け体調管理に気を付けてもウイルスだらけの手で眼や鼻に触れたらもともこもありません。

しかも癖だから自分で気づけない。。。そして風邪ひく

自爆です。

まずはしっかり手洗い30秒を励行しましょう。

サラヤ株式会社さんの方法が分かりやすかったので参考にさせていただきましょう→手の洗い方

できればタオルも使い捨てがあれば使用して頂き家族内で風邪をひいている方とは分けましょう。

そして流水でしっかり洗い流しましょう。

最近はだいぶ減りましたが固形石鹸の場合は石鹸の隙間にウイルスが侵入していることがあるのでプッシュ式の方が良いかもしれません。

可能であればアルコール消毒もできるとベターです。

なったらなったという寛大さも必要かと

とはいうものの

一生のうち200回かかるものをかからないようにするのは無理な話です。

なったらなったで安静にしてしっかり睡眠をとり、無理して食べず温かいスープなどを飲んで早く治すことに努めましょう。

最後に格言をご紹介します。

「喉がいがらっぽくて咳が止まらないときは、どうにかしてそれを防ごうと場当たり的なことをしがちだ。そんなときはレーズンを何粒か食べると治ることがある」-ウイリアム・ヘバーデン『病気の歴史と治療について』

健康な人は自分の健康に気がつかない。
病人だけが健康を知っている。-トーマス・カーライル

われ病にかかりて ここに まことの人生を見そめき
( 「わがそでの記」より )

作家のロバート・ベンチリーの風邪予防は

「鼻や口から息をしないこと」