『諦める力』を読んで

為末大さん著である『諦める力』を読みました。

400メートルハードル元銅メダル選手でコーチをつけずに自ら自分で修練するアスリートでも有名ですね。

どのような人かは正直知りませんでしたが個人的にはある先生から教えていただいた言葉である「中庸」である人という感想を持ちました。

中庸とは過不足なく偏りがない状態ですが明確な勝ち負けや優劣がある競技に身を置き沢山の経験から

「夢はかなう」や「可能性は無限大だ」という言葉に潜む競技者としての執着や周囲からの期待を客観的に捉え「ダメなものはだめ」ということを理解し単純に「諦める」ということを肯定するというわけではありません。

「仕方ない」ということを理解したうえで「仕方がある」ことをするという現実に向き合ってきたからこその価値観をお持ちでした。

スポーツ業界は称賛を浴びるのはごく一部のアスリートでほとんどの競技者が夢半ばで敗れた選手の上に成り立っています。

その中で30代中盤まで諦めきれず競技をやめた時には社会経験がないためにその後の人生に苦しむアスリートを多く見てこられたが故に一見ドライに受け止められてしまいそうですが至極まっとうでむしろ優しい言葉として受け取れます。

一見耳触りのいい言葉で他人を鼓舞したり自分を励ますのではなくより現実的な尺度を持つことの必要性が書かれていました。

以下あとがき部分からの抜粋です。

諦めるという言葉は、明らめることだと言った。

何かを真剣に諦めることによって、「他人の評価」や「自分の願望」で曇った世界が晴れて、「なるほどこれが自分なのか」と見えなかったものが見えてくる。

続けること、やめないことも尊いことではあるが、それ自体が目的になってしまうと、自分という限りある存在の可能性を狭める結果にもなる。

前向きに諦める  そんな心の持ちようもあるのだとうことが、この本を通して伝わったら本望だ。

為末 大

気になった方はご覧になってはいかがでしょうか。

諦める力(勝てないのは努力が足りないからじゃない)

自分の中の断捨離 の参考になるかもしれません。

それでは。