比べない習慣

を読みました。

著者は玉置妙憂(たまおきみょうゆう)さんです。

専修大学法学部を卒業後、法律事務所で働き始めますがご長男が重度のアレルギー症状を持っていた為

「息子専属の看護師になろう」と思い看護学校で学び看護師として病院で働きます。その後カメラマンだ

った最愛のご主人がガンを再発し本人の意思で自宅療養を選択し自然死で看取ることになりそれを機に出

家を宣言し高野山真言宗で修業をして僧侶になられるという様々な人生経験をされた方です。

比べない習慣のすすめです。

昨今はSNSで知り合いの投稿を見て嫉妬したり蔑んだりしたり他人の収入や家、車や服装、結婚や子供の有無など人と比較して一喜一憂してしまう方も多いのではないでしょうか。

それでなくても学生時代から勉強や運動などで順位付けされてきていますから比較することが当たり前の世の中です。

もちろん比較検討することは生命をつなぐための戦略としても必要不可欠です。

その中でも玉置さんは「なぜその選択をするのか。」そして「自分はどうしたいのか。」という自分なりの基準を持つことが大切だと言います。

実は一見「自分で決めた。」と思うことも一般常識や人からどう見えるか、はたまた親に育てられた中で自然と「当たり前」となった親が決めた価値観をもとにして決めていることが多いのです。

ベースが他者からの評価になるため本来純粋に自分がしたいからしていることであればほかの人は関係ないはずが、外からの評価がもとに成り立っている為、頑張っている自分を第三者が認めてくれなければ敵としてみなしたり他者の意見に縛られてしまうということです。

そんな自分を知るために1日5分だけでも内観をすると良いといいます。

つまり一日を振り返り

「なぜあの言葉に腹が立ったのか」

「なぜその選択をしたのか」

など一日の自分の感じたことを深く見ていきます。

その際に

「やっぱり私はダメだな。。。」

「結局私がわるいかも。。。」

「私って性格悪いかも。。」

と自分を否定しても苦しくなるだけなので

重要なことは考えない。反省せずあくまでも自分の頭の中を俯瞰的にみる感じです。

気づいたら「そっか、そうだったのか。」

でおしまいです。

その時気づいた自分はあくまでも一部であり私の全てではないのです。

ただ自分の本心に気づくのは難しいです。

例えば「あなたのために言っているの。」とか「あなたのためにやってるの。」という言葉を使うとき本当に相手の為だったのか。

自分の「大義名分」であり「本心」ではないことも良くあるといいます。

ただこの内観を日々心掛けるだけで反射的に反応していた情動が口をついて出る前に一呼吸おけるようになるのです。

本を読んでこのコロナ渦で自粛警察と呼ばれる人のしていることに目を光らせてしまう場合

「自分自身の不満に目を向けずに無理をして過ごしていると他人の行動に過剰に反応してしまうといいます。」

コロナで私はこんなに我慢させられているのになんて無責任なやつなんだと腹をたててしまう奥にコロナの不安で精神的に追い詰められている心からのSOSかもしれません。

そんな時他人ではなく「自分の問題」としてとらえることで何かしらの解決を考える方向へ向かっていくということです。

変わらない他人にやきもきしても自分がストレスフルになって体調を崩したりストレスを感じ続けると免疫も落ちちゃうしなんだかもったいないですよね。

内観の他にも

・はっぱの瞑想

・自分の儀式を決めておく

・ざわざわを書き出す

など比べることから離れるための方法も具体的に書かれています。

看護師や僧侶のご経験から普段肉体的にも精神的にも苦しんでいる人と身近にむきあってこられたからこそわかる優しい表現で内容も理解しやすいと思います。

なんだかイライラしてしまう方やちょっとした他人の言動に傷つきやすい方にとっても助けになる本だと思います。

難しく考えずご覧になってはいかがでしょうか。

それでは