過敏性腸症候群(IBS)

昨今のストレス社会を反映して過敏性腸症候群(IBS)という疾患をご存知でしょうか。

今や5人に1人がその症状を抱えているといわれています。

精神疾患であるうつ病は脳の問題と言われているがこの疾患は腸の病気です。

とはいうものの実際は癌や潰瘍、憩室炎など消化器疾患を除外したうえで診断をつかないものをいうので一概に病気という枠組みでおさまりそうもないのが現状です。

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群はローマⅣ基準という診断基準で判定されています。
○ローマⅣ基準
■腹痛あるいは腹部の不快感がここ最近の3ヵ月中の1ヶ月のうち少なくとも3日以上占めている。

■下記の2項目以上の特徴を示す

(1)排便に関係する

(2)排便頻度の変化と関連がある

(3)便形状(外観)の変化と関連する

※少なくとも診断の6か月以上前に症状が出現し、直近3か月間に症状を呈している。

※腹部不快感とは、腹痛とは言えない不愉快な感覚をさす。

病態生理研究や臨床研究では、腹痛あるいは腹部不快感が1週間につき少なくとも2日以上を占めるものが対象として望ましい。

ある意味あいまいな診断基準のようにみられるかもしれませんが専門医たちが長年議論し合ってできた基準なのです。

ストレスの生理学的反応

<p>少し専門的な内容なので興味がない方は読み飛ばして下さい。<br />
ストレス反応とは</p>
<p>ある個体が状況的に過度なストレスに曝されたときにする反応です。<br />
その個体や状況に応じて自律神経系の交感神経もしくは副交感神経優位な反応があります。</p>
<p> (1)防御反応・・・交感神経優位な反応、サバンナの動物を想像すると危険が迫った時に、戦うか逃げるかという行動をとるために必要な反応です。瞳孔が散大して、心拍数があがり、内臓の血流が減る変わりに筋骨格系の血流がまして素早い反応に備えます。</p>
<p> (2)受動的ストレス反応・・・外敵に襲われたときに見つからないようにフリーズしたり死んだふりのような状態です。副交感神経優位な反応ですが体内ではストレス反応として同じように起こります。</p>
<p>これらのストレスを受けたときの体の中の内分泌系の反応を「HPA軸」といいます。</p>
<p>HPA軸とは<br />
ストレスを生理学的説明する際にHPA軸というものがああります。</p>
<p>これはhypothalamic(視床下部)ーpituitary(脳下垂体)ーadrenocortical(副腎皮質)からなる一つのシステムです。</p>
<p>脳の視床下部から下垂体に副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されます。<br />
次に下垂体の前葉というところから腎臓の上にある副腎という器官に副腎皮質刺激ホルモンを放出し最後に副腎から副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが分泌されます。</p>
<p>この一連のは内分泌系の反応により交感神経の興奮がおこり、心拍数が増え、血圧もあがります。</p>
<p>この状態が長期に持続すると動物は不安になり精神的にも不安定になり抑うつ状態になります。<br />
コルチゾールは唾液からも採取できるのでその量に応じてその人のストレス状態を検査できます。</p>
<p>大腸運動とストレス<br />
(副腎皮質ホルモン)</p>
<p>上記のストレスの反応の際に放出される副腎皮質ホルモン放出ホルモン(CRH)を意図的に増やすと</p>
<p>○大腸の運動が亢進<br />
○便の水分量が増加<br />
○便の量と回数が増加<br />
します。</p>
<p>不思議なことにCRHを末梢に投与しても大腸運動が亢進して同じ結果になりました。<br />
ということは<br />
動物においてストレスホルモンであるCRHが脳でも腸でも増加すると過敏性腸症候群と非常に酷似した状態になるのです。</p>
<p>以上のことから<br />
過敏性腸症候群とストレスの関連付けられることが多いのです。<br />
重要な会議の前や試験中、緊張するときに腹痛や腹部の不快感がある場合は体内でのこのような反応の結果かもしれません。</p>
<p>ストレスは生きていく上では避けて通れるものではありません。<br />
まずは日頃緊張している自律神経や体の緊張をほぐしていく必要もありますし、腸自身の問題もある可能性もあります。</p>
<p>その際はその方に合った食事療法やもしくは避けなければならない食品もあるかもしれませんのでそちらを探る必要があると思います。</p>
<p>筋肉や関節の症状以外にもこちらでお手伝いできる症状もあると思いますので気になることがございましたらお気軽にご相談ください。</p>

少し専門的な内容なので興味がない方は読み飛ばして下さい。
ストレス反応とは

ある個体が状況的に過度なストレスに曝されたときにする反応です。
その個体や状況に応じて自律神経系の交感神経もしくは副交感神経優位な反応があります。

(1)防御反応・・・交感神経優位な反応、サバンナの動物を想像すると危険が迫った時に、戦うか逃げるかという行動をとるために必要な反応です。瞳孔が散大して、心拍数があがり、内臓の血流が減る変わりに筋骨格系の血流がまして素早い反応に備えます。

(2)受動的ストレス反応・・・外敵に襲われたときに見つからないようにフリーズしたり死んだふりのような状態です。副交感神経優位な反応ですが体内ではストレス反応として同じように起こります。

これらのストレスを受けたときの体の中の内分泌系の反応を「HPA軸」といいます。

HPA軸とは
ストレスを生理学的説明する際にHPA軸というものがああります。

これはhypothalamic(視床下部)ーpituitary(脳下垂体)ーadrenocortical(副腎皮質)からなる一つのシステムです。

脳の視床下部から下垂体に副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されます。
次に下垂体の前葉というところから腎臓の上にある副腎という器官に副腎皮質刺激ホルモンを放出し最後に副腎から副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが分泌されます。

この一連のは内分泌系の反応により交感神経の興奮がおこり、心拍数が増え、血圧もあがります。

この状態が長期に持続すると動物は不安になり精神的にも不安定になり抑うつ状態になります。
コルチゾールは唾液からも採取できるのでその量に応じてその人のストレス状態を検査できます。

大腸運動とストレス
(副腎皮質ホルモン)

上記のストレスの反応の際に放出される副腎皮質ホルモン放出ホルモン(CRH)を意図的に増やすと

○大腸の運動が亢進
○便の水分量が増加
○便の量と回数が増加
します。

不思議なことにCRHを末梢に投与しても大腸運動が亢進して同じ結果になりました。
ということは
動物においてストレスホルモンであるCRHが脳でも腸でも増加すると過敏性腸症候群と非常に酷似した状態になるのです。

以上のことから
過敏性腸症候群とストレスの関連付けられることが多いのです。
重要な会議の前や試験中、緊張するときに腹痛や腹部の不快感がある場合は体内でのこのような反応の結果かもしれません。

ストレスは生きていく上では避けて通れるものではありません。
まずは日頃緊張している自律神経や体の緊張をほぐしていく必要もありますし、腸自身の問題もある可能性もあります。

その際はその方に合った食事療法やもしくは避けなければならない食品もあるかもしれませんのでそちらを探る必要があると思います。

筋肉や関節の症状以外にもこちらでお手伝いできる症状もあると思いますので気になることがございましたらお気軽にご相談ください。