ミネラル麦茶でミネラルはまかなえるのか。

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という患者さんが増えてきました。

寒暖差はありますが晴天の日は30℃に迫るような暑い日も増えてきたので水分不足やミネラル不足が考えられます。

不感蒸散(=不感蒸泄)といって目に見えないけど皮膚から蒸発している汗の量も60kgの人で900mlはあり、さらに体温が上がるとさらに多くの蒸散をするのが分かっています。

これは汗は含まないので水分が暑くなるといかに体から無くなるかと考えると水分摂取は絶対必要なのは至極当然なのが分かると思います。

では汗の成分は何なのか?というところですが

“発汗で失われるイオンとスポーツドリンク” によると

ナトリウム・・・51%(863mg/L)

カリウム・・・30%(222mg/L)

カルシウム・・・4%(1.6mg/L)

マグネシウム・・・0.4%(0.13mg/L)

が汗に含まれている成分です。

暑さによって蒸発した汗で熱を下げるためにかく汗を温熱性発汗と言いますが

1時間で最大2~3リットル,一日最大で12リットルの汗をかくといわれています。

(体格や環境によって差はあります。)

汗はしょっぱいのでナトリウムが50%なのはわかりますがカリウムも30%と多く失っています。

足がつる原因は未だに正確な原因は解明されていないですが、可能性としては

水分不足やミネラル不足と言われています。

患者さんとお話ししていると皆さんそれは知っているようです。

するとかなり多くの方が続いて

『やっぱり麦茶が良いですかね。。?』

と聞かれることが多いです。

まさに誰もが一度は見たCM

「ミっネラ~ル麦茶♪」が頭の中に響きます。

確かに夏には洗脳されるくらい流れてますよね。

とういうことで

文部科学省の日本食品標準成分表を見てみました。

麦茶50gを沸騰したお1,500mlの湯で浸出したもの。(100gあたり)

ナトリウム・・・1mg

カリウム・・・6mg

カルシウム・・・2mg

マグネシウム・・・Tr(微量には含有されていますがごくわずか。)

100gの含有量なので1L=1kgなので100g×10してもとても足りません。

まさか。。

私は同じものと何となく思っていましたが『麦茶』と『ミネラル麦茶』は違うのか。。?

伊藤園のHPで調べてみました。

健康ミネラルむぎ茶 [PET/600ml] 大麦、飲用海洋深層水、麦芽 / ビタミンC – 1本(600ml)当たり 0kcal 0g 0g 0g – 食塩相当量 0.2g、マグネシウム 3mg、亜鉛 0~0.06mg、カリウム 72mg、リン 8mg、マンガン 0~0.06mg、カフェイン 0mg
意外に種類が多かったのでコンビニで売っている600mlのPETを見てみました。

さすがミネラル麦茶さっきの成分表の麦茶の同量と比較すると

食塩相当量(※ナトリウムの数値ということにします。)6mg→200mg

カリウム・・・36mg→72mg

マグネシウム・・・Tr→3mg

と大幅にUPしてますが1時間で最大2から3L汗をかくとすると残念ながらたりません。

ただし、ノンカフェインなので水分不足の補給にはかなり効果を発揮すると思いますので他のカフェインが含まれていて利尿作用が促される飲料よりも効率が良いのは間違いありませんが

汗で喪失したミネラルの補給には少し足りないですね。

そういった意味ではミネラルを補うためにはスポーツドリンクの方が効率が良いのは間違いありません。ただしカロリーが高いので夏の家にいてそれ程汗をかかない環境なのであれば麦茶で事足りると思います。

ナトリウムなどは食事で十分まかなえます。

もし麦茶しかないようであれば梅干しを持って行って塩分補給に持っていったり飲む気分にはならないかもしれませんが冷えた味噌汁がおすすめです。。。

それならスポーツドリンクにするかと思いますがどれぐらい汗をかくような運動や環境かによってうまく使い分けていきましょう。

今回のお話の

『ミネラル麦茶で足がつらなくなるか?』

という問いについては

『つる』のが水分不足が原因なら効果が期待できるが

『つる』のがミネラル不足ならミネラル麦茶では不十分です。

という結論に至りました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

それではまた