『最高の子育て』を読んで

小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て
著者は慶応義塾大学医学部小児科医の高橋孝雄教授です。

高橋教授は4歳の時に脳腫瘍でお父さんを亡くされ母子家庭で弟さんと3人で生活保護を受けながら医者になられ大変ご苦労された方です。

とても優しいお人柄が伝わる内容で、お子さんだけでなく子育てに関わる両親や祖父母に対しても勇気づけられるものでした。

文中には遺伝子で決まっているという表現が多いのですが、一般的には遺伝子というのは変えられないという表現で用いられることがありますが、読んでいると遺伝子=可能性やまだ自分でも気づいていない才能と受け取ることができます。

子育てというのは対子供ではなくまさしく自分との向き合い方のあらわれのように感じました。

子どもが幸せになるために授けたいことは
・誰かの気持ちに寄り添える「共感力」

・あらゆるシーンで自分のことは自分で決める「意思決定力」

・生まれてきてよかった、自分は自分でいいと感じる「自己肯定感」
だと筆者は言います。

親はついつい先回りして自分の経験してきた枠組みのなかで子どもを評価してしまいがちです。

それにより他人と比べたり、競わせてしまい子どもを励ましているつもりが、声かけや態度がきつくなり自己肯定感を奪っているのかもしれません。

高橋教授はぼくたちの使命は子どもたちの自己肯定感を育むことに尽きると言います。
さらに、お母さん自身が自己肯定感を失わないことも大切だとも言います。

親が自己肯定感を持って接することが子どもの才能を花開かせる鍵になります。遺伝子で決まっている才能は実は親(自分)では苦手だったり興味がないところでも花開くこともあるのです。

自分を信じることがまさしく子どもを信じることに繋がると感じました。

そして援助者は心身とも健康であることも大切だと言います。無理はせず困ったら周囲の人や行政を頼りましょう。

子どものチカラを信じましょう。
本にはもっと具体的な経験談や患者さんとのエピソードもありますので読みやすいかと思います。

興味がある方は是非ご一読下さい。
それでは失礼します。