2024/04/11
椎間板ヘルニア(腰椎)
と診断されたことのある方は多くいらっしゃると思います。
ほとんどの方は掲載したようなレントゲン検査をまずしたのではないかと思います。
そして、椎間板ヘルニア、脊柱管症候群、骨が出てるとか筋肉の問題では。
という回答がほぼ全てだと思います。
ただしレントゲンに映るのは骨だけなので骨が出てる(変形?)こと以外はお医者さんでもわからないと思います。
なので骨と骨の隙間や角度を見てもしかしたらヘルニアか脊柱管症候群かなと想定するくらいです。
もし本当に画像で確認したい場合はMRI検査であれば神経が画像で確認できるので圧迫されている場所も確認できます。
今日はその中でも特に診断されることが多い椎間板ヘルニアについてのお話です。
海外の研究では画像診断を受けた健常者の76%に無症状の椎間板ヘルニアがみられたとという研究があります。(スイス)
またフィンランドの研究によると、腰痛経験者の約半分がMRIの画像診断で椎間板に変性が見られない正常所見だったことが分かり。
『腰痛と椎間板の変性に関連性は認められない。』
と結論づけられました。
さらにアメリカでは20~80歳までの過去に腰痛を体験したことがない人であっても画像診断の結果
21~36%に椎間板ヘルニア
50~79%に椎間板の膨隆(椎間板ヘルニアの手前)
34~93%に椎間板変性(水分が減り薄く、固くなったり)がみられたと報告されたそうです。
よく患者さんから質問されることなのですが
『ヘルニア=痛みではないか。』という考え方の真逆のものです。
私個人も椎間板ヘルニアと診断された方に念のため整形外科検査をしても約90%くらいの人がヘルニアの検査が陰性となります。
さらに他の研究によるとヘルニアが縮小、消失して症状が軽快した患者さんの時間経過の詳細を調べると、ヘルニアが縮小・消失する以前に症状がよくなっていたそうです。
とはいうものの
でも痛いものは痛いのです。
最近では、神経を圧迫するとか椎間板が凹んでという物理的な因子だけではなく化学的な因子も腰痛に関わっていることも分かっています。
何らかの原因で椎間板に亀裂が入ると、髄核の中に存在する「TNF-α」という化学物質が漏洩し、この化学物質の働きでその周辺に炎症が生じて痛みを起こすという考え方です。
すると先ほどの椎間板ヘルニアが自然に縮小・消失していく時にヘルニアがある状態でもすでに症状が軽快していることもうまく説明がつきます。
この物質の漏出があれば痛むし、漏出がなければ椎間板が変形していても髄核が飛び出していても痛みとして感じないということになります。
ちなみに化学物質が働くのは主に急性期で10日~2週間だと思われます。
急性腰痛が1~2週間で自然によくなることも符合しています。(参考図書:腰痛のナゼとナゾ)
炎症自体は異物や自分の壊れた細胞を排除して恒常性を保つためのシステムです。
腰椎椎間板ヘルニアであったとしても経年劣化のように徐々に変形していったか、急激な負担がかかって椎間板を損傷するかによって違ってくるのですね。
この炎症は残念ながら回復するために必要な過程ではありますが血行性に広がり回収していくので患部の血行が悪かったりすれば回復は遅れてしまうでしょうしその痛みをかばう為の不自然な姿勢や動きでも二次的な痛みを起こしてしまう場合もあるでしょう。
もりもり整体院では身体の内部の体液循環を促しかばってしまって二次的に起こる負担の軽減を目的にして回復を促進していきます。
腰痛は他にも内臓由来だったり、メンタル、自律神経系など複雑な問題が隠れている場合もありますので多角的な見方が必要となると思います。
お困りの方がおりましたらお気軽にご相談ください。
それでは。