メディアで腰痛はよくできるのか

マスコミの報道はよくも悪くも国民へ影響を及ぼします。

このコロナ渦で特に顕著に感じる方も多いのではないでしょうか。

今回はそのマスコミやメディアでいい影響を与えた例をご紹介します。

その前にタイトルにもある腰痛について

整形外科であっても90%近くは原因を特定できないと言われるほど腰痛の原因は多岐にわたります。

その中の1つの原因として精神と腰痛の関係があるという説を裏付けるような面白い研究をご紹介します。

2001年オーストラリアの学術誌に「腰痛があっても活動できる、安静にする必要はない。運動や仕事は継続していい。」という大メディアキャンペーンについての報告です。

キャッチコピーは『腰痛に屈するな!!』として一般市民に対して『安静にしないで!活動的に毎日の生活や仕事を続けよう!』と呼びかけました。

その一方で医師に向けて『腰痛を医療対象として過度に扱うことをやめよう!不必要な検査や治療はやめよう!!』と喧伝しました。

これはただ国民を煽るような無責任なものではなく科学的な根拠に基づいた新たな考えを示し

【The Back Book】という冊子から引用されてキャンペーン中このパンフレットも配布したそうです。

さらにゴールデンタイムにテレビCMで有名なスポーツ選手に「私も薦めます!。」というメッセージを発信してもらい他にも様々な媒体をフル活用したそうです。

キャンペーンが実施されたビクトリア州とされなかった隣のニューサウスウェールズ州とで比較検討した結果

・腰痛が原因による欠勤日数の減少

・労災申請件数が15%減少

・医療費が20%も削除

・その経済効果は33億円超(住民の欠勤日数減少は含まず)

「腰痛のナゼとナゾ」菊地臣一 著 

と予想以上の効果があったそうです。

その後もイギリスのスコットランドで同様のキャンペーンを行い住民の意識転換が20%に見られたそうです。

日本でも以前よく見た禁煙のキャンペーンでは5%しか意識転換しか得られなかったそうです。

腰痛が精神的な影響を受けるということを逆手にとって治療に生かすという珍しい試みです。

メディアの影響は国民にとって大きいので是非正しい情報を提供してほしいものです。

それでは